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最近、自分がフリーメールを活用できない人間だってことに気付きました。

2008年04月16日

ブログ小説 焔-HOMURA-[integral] 第169回


そして、後悔しろ。


「カザギワの情報管理部にね。道長修って男がいたんだけど、この人は、同性愛者だったの」

 シドニーが言った。

 なぜ、ここで、道長修が出てくるのか。鈴乃は思った。そして、言った。

「誰から聞いたの?」

「もちろん、同じカザギワの情報管理部の人からよ。その人、バイセクシャルでね。前に、道長修と寝たことがあったの」

「同性愛者だということをネタに、道長修を脅迫したの?」

「違うわ。道長修は、周りの仲間に、自分が同性愛者だということを、カミングアウトしていた。一部の人にだけ、だけど」

「なら、誰を脅迫したの?」

「道長修の、恋人よ。名前は、佐治好丸。サジマルっていう組の、組長をしていたの。佐治は、自分が同性愛者だということを隠して、組を運営していた」シドニーは、鈴乃を見た。「同性愛者の組長よ? あなただったら、どう思う? もし、サジマル組の構成員だったとして、そのことを知ったら」

「さあ」

 シドニーは、おどけるようにして、肩をすくめた。縛られているので、小さく。

「あたしは、嫌。ヤクザなんて、したことはないけど、同性愛者だということを、もし敵対してる組に知られたら、威厳を保っていられるか、疑問だもの。そんな人の下では、働きたくない」

「そう。それで、佐治を脅迫して、どうしたの」

「まずは、資金の調達よ。アイザックの逃亡生活には、先立つものが必要だったから」

「そして?」

「佐治を脅して、道長を動かした。道長修は、カザギワの、アイザック討伐チームの一員だったの」

「なるほど、ね」

 握った拳の内側で、爪を立てた。逸る思考回路が、一つの答えを弾き出していた。その答えに、頭が沸点を迎えようとしていた。何とか、抑えた。

「ヤクザも所詮、人の子ということよね」シドニーは、小さく笑った。「弱みを握れば、形無し。勉強になったわ。それに、面白かった。人が、自分の言う通りに動くって、何とも言えないわよね」

「弱みを握って、ヤクザを脅迫する。日本中を探しても、そんな主婦は、あなたの他にはいないでしょうね」

「分かる? そうなの」

「佐治を通して、道長修を動かして、何をさせたの」

「一番厄介な人間を始末するのに、協力させたわ。アイザックを殺すために、結成されたチーム。その主力だった、カザギワの殺し屋をね」

「飛燕」

「あら、正解よ。勘が」

 中段蹴り。容赦はしなかった。貫くつもりで、シドニーの腹に足をねじ込んだ。呻きとともに、シドニーは勢いよく胃の中身を床にぶちまけた。

「まずは、その不愉快な薄ら笑いをやめるのね、シドニー。そして、後悔しろ。自分のしたことを」

つづく




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posted by 城 一 at 07:04| 長編小説 焔-HOMURA-[integral] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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