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最近、自分がフリーメールを活用できない人間だってことに気付きました。

2006年09月05日

ブログ小説 焔-HOMURA- scene5

●風際 慶慎(かざぎわ けいしん)

 慶慎は、コンビニにいた。おにぎりや、弁当の並ぶコーナーの前にいた。
 ウォーミングアップで、体は火照っていて、こめかみや首筋、背中に汗が滲んでいる。軽く息が、弾んでいた。慶慎は、他の客の目につかないように、できるだけそれを抑えていた。
 昨夜の夕食は結局、父の文永にめちゃくちゃにされてしまったし、朝食を食べようにも、家の冷蔵庫には缶ビールしか入っていなかった。酒のつまみが、あるにはあったが、それに手をつけると、また昨夜のようなことになる。立て続けに、あのような思いをするのは、嫌だった。
 腹が鳴る。
 昨夜、人の温もりを感じないことで、食べるのをためらっていた、コンビニ弁当。夜が明けて結局、そのコンビニ弁当を前にして、空腹を抱えている自分。
 慶慎は、皮肉だなと思って、内心、自分に向かって嘲笑していた。
 食べたい。だが、金はない。
 慶慎は長い間、コンビニ弁当の前にたたずんでいた。汗が、わずかに冷めてきていた。

●C・C・リヴァ

「カザギワ?どんな風にスゲェんだよ」
 リヴァは、ダンクを訝しげな目で見ながら、煙草を指で叩いて、灰を落とした。灰が、ルシオの死体の顔にかかっていたが、全く気にしていない。
「どんなって……とにかく、スゲーの!」
「誰に聞いたんだよ」
「誰にも聞いてねぇよ」
 リヴァは、ダンクの肩に腕を回して、言った。
「ヘイヘイ、見栄張ってんじゃねえよ、ダンク。俺の知らねぇ話が入ってるほど、おめぇの頭は、性能よかないだろ?」
「バーバーから聞いたんだよ」
「よし。じゃあ、そのカザギワだかについて、バーバーに教えてもらうか。頭の弱い相棒」
 リヴァは、ダンクと肩を組みながら、ルシオとその仲間たちが、たくさん眠っている部屋を後にした。


つづく
posted by 城 一 at 00:00| 長編小説 焔-HOMURA- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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