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最近、自分がフリーメールを活用できない人間だってことに気付きました。

2006年09月05日

ブログ小説 焔-HOMURA- scene6

●C・C・リヴァ

「カザギワは、まだ少人数で形成されてる組織だけど、精鋭揃いなんだ」
 リヴァとダンク、バーバーの三人は、今日の収穫の入ったナップサックと、ドラムバッグを持って、並んで歩いていた。
 バーバーは、もう吐き気が収まったらしく、話すのも、特別辛くはなさそうだった。
「規模と構成員の数なら、今の街の六割強を掌握してるって言うツガ組には、全く敵わないけどね。数年先には、張るくらいには、確実になってると思うよ」
 ダンクは自分が最初、その話を始めたくせに、興味なさそうに、耳のピアスをいじっていた。
 リヴァは言った。
「ふーん。じゃあ、ツガの方で決まりだな。そんな、何年も待ってらんねぇよ」
「カザギワの方が、質が高くていいと思うんだけどな」
「ちっこくて、質の高い組織なんかに、俺らみたいなのが簡単に入れるかよ。デカい方が、多少腐ってて、入りやすいのさ。なあ、ダンク?」
 ダンクは、ピアスをいじるのに忙しそうだった。
 リヴァは地面で、金属バットの先端を擦っていた。両方の手の甲には、入れ墨でアルファベットの「C」が刻まれている。
「おい、ダンク。今な、一応、これから俺らが行く方向の話、してんだからな。ちゃんと、話聞いとけよな」
「聞いてるっつの」
 ダンクが横目でリヴァのことを見た。バーバーが言った。
「もちろん、他にも街を代表する組織はあるけど」
「他ん所で、他の組織と比べて、これが一番!ってのが、あるのは、あんのか?」
「ややこしい日本語使うね。うーん、ないかな。後にどうなるか分かんないけど、ツガとカザギワが、今のところ協力し合う関係にあるから、この二つの組織が街を占めるのは、まず間違いないと思うよ」
「へえ。そりゃ、いい知らせだな。な、ダンク」
「なあ、それより腹減らねぇか」
 ダンクが言った。リヴァは溜め息をついた。
「お前、これから自分が入る組織より、自分の腹が大事なのかよ」
「そう。俺には、俺たちが、これから入るコンビニの方が、大事なんだよ」
 リヴァは、すぐ近くにあったコンビニを指差すと、かったるそうな口調で言った。
「したら、あそこでいいんじゃね?」

 時刻は十二時をとっくに過ぎていたので、確かにリヴァも腹が減っていた。
 コンビニに入り、弁当コーナーに行くと、黒いジャージの上下に身を包んだ少年がいた。年齢は、自分と同じか、もしくは、少しだけ下。
 少年のこめかみや額には汗が光り、肩がわずかに、荒い呼吸で上下していた。


つづく
posted by 城 一 at 12:00| 長編小説 焔-HOMURA- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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