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最近、自分がフリーメールを活用できない人間だってことに気付きました。

2006年09月06日

ブログ小説 焔-HOMURA- scene7

●C・C・リヴァ

 バーバーとダンクは、すぐに自分の好みの弁当を見つけて、レジへと持って行った。
 リヴァは黒いジャージの上下を着た少年のことが気になり、弁当コーナーの前で、弁当を選ぶ振りをしながら、少年を観察していた。
 きれいな顔立ちをした少年だ。黒髪を、長めに伸ばしている。前髪で目が見えにくいくらいだった。
 リヴァと少年の目が、一瞬だけ合った。少年は、すぐに視線を逸らした。
 リヴァは、監視カメラの位置を確認した。少年の体は、ほとんどリヴァの陰になっている。
 リヴァは、いい加減、弁当コーナーの前で黙って立っているのにも気が引けてきた。少年は自分よりも、もっと、長い時間をそうやっていたようだったが。
 リヴァがカツカレー弁当を手に取ったときだった。
 カサッという音がした。リヴァの立てた音ではない。隣にいた少年は、両手をポケットに突っ込んで、弁当コーナーを離れていく。
 なるほどねぇ。リヴァは思った。可愛い顔して、万引きか。
 何も知らない者が、膨らんだポケットを見ても、少年が両手を入れているからだと思うのだろうが、確実に、おにぎりが一つずつ収まっている。
 しかも、相当手慣れている。リヴァも、ギリギリで目で追えたというくらいだった。たぶん、バーバーやダンクでは、全く気づかなかっただろう。
 少年は、次は飲み物が並ぶコーナーへと向かっていく。
「ふぅん」
 リヴァも、時折、万引きをするが、今は普通に金がある。それに、この街にはまだ、来たばかりだ。必要のない万引きはしない。
 果たして、カツカレー弁当だけで、腹がいっぱいになるだろうか、とリヴァが思案していると、コンビニの店内に銃声が轟いた。
 オートマティックの銃を持った二人組み。プロレスラーの覆面で、顔を隠している。赤い覆面をした男が、店員に銃を突きつけ、レジの下にあったショットガンを取り上げた。
 レジに並んでいたダンクが、赤い覆面に飛びかかろうとしたが、後ろから青い覆面に銃底で殴られて気絶した。バーバーは、そういった抵抗とは、縁がない。
 黒いサングラスをした中年の男が、杖を振り回しながら「どうしたんだ?」と叫んでいた。目が不自由なのだろう。青い覆面に銃口でこめかみを小突かれて、ようやく状況を理解すると、おとなしくなった。
 他に、老人が一人。
 黒いジャージの少年は、微塵も抵抗の気配を見せずに、両手を挙げた。
 リヴァは商品が並ぶ棚の陰に身を潜めると、「仕方ねぇ。やるか」と呟いて、金属バットを両手できつく握り締めた。


つづく
posted by 城 一 at 00:00| 長編小説 焔-HOMURA- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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