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最近、自分がフリーメールを活用できない人間だってことに気付きました。

2006年09月06日

ブログ小説 焔-HOMURA- scene9

●C・C・リヴァ

 リヴァは、銃底で殴られてバランスを崩し、床に手を突いた。
「立て」
 真っ黒い、大きなサングラスの男が、無表情のままで、そう言った。
「一応、仲間もやられたしな。お仕置きしとかなきゃな」
 言われた通りに立ち上がったリヴァは、またすぐに殴られて、床に尻餅を突いた。
 ツいてねぇな。リヴァはまた、サングラスの男に言われて立ち上がる。やっぱり、トラブルは見て見ぬ振りが一番だ。
 何度殴られ、何度立ち上がったのか。数えるのが面倒くさい。リヴァが、そう思ったときだった。
 リヴァは、思わず声を上げそうになった。
 サングラスの男の後ろに、逃げたと思っていた、黒いジャージの少年がいた。
 いつの間に、そこに現れたのか。リヴァには、全く分からなかった。音も、気配もなかった。だが、確かに、少年はいる。
 男は、数十センチと離れていない少年に、気づいていなかった。
 少年は、眠たそうな目で、リヴァのことを見ていた。
 男がまた、銃でリヴァを殴ろうとして、手を振り上げたときだった。
 少年の体が、音もなく軽やかに、宙に舞った。男の腕に、自らの体を絡みつける。
 腕ひしぎ逆十字。一瞬で決まった。
 男が少年に気づくのと、男の腕がゴキンと音を立てたのが、同時だった。銃が、少年の手に渡る。
「このガキ!返せ!!」
 男が伸ばした手を、少年は柔らかい身のこなしで、バック転をしてかわす。少年の体は非常に柔軟で、体操選手のようだった。
 男から離れた少年は、銃からマガジンを抜き出し、さらに銃身に入っていた一発の銃弾を、中から弾き出した。
「くっ」
 男が歯軋りをする。
 リヴァは、散々殴られた頭を撫でながら、床からバットと、殴られたせいで落ちていたサングラスを拾った。
 バットの先を肩に乗せると、サングラスをかけ直す。オレンジ色のレンズに、ひびが走っていた。
「お気に入りだったのによ。こりゃ、お仕置きしとかなきゃだな。ええ?」
 リヴァは大きな笑顔を浮かべてそう言うと、少しだけ血の混じった唾を、床に吐いた。


つづく
posted by 城 一 at 15:00| 長編小説 焔-HOMURA- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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