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最近、自分がフリーメールを活用できない人間だってことに気付きました。

2006年09月06日

ブログ小説 焔-HOMURA- scene10

●C・C・リヴァ

 意識を取り戻したダンクが、殴られた分を、何十倍にもして、コンビニ強盗に返していた。
 リヴァは、ダンクがコンビニ強盗を殺してしまわないように見張ってろと告げて、バーバーをダンクの側に残した。
 リヴァは、コンビニの外に出た。
 コンビニの前で、黒いジャージの少年が、万引きしたおにぎりを食べていた。リヴァは、少年に缶ジュースを投げ渡した。
「店長が、助けてくれた礼だとよ。ショボい礼だぜ」
 少年は肩をすくめると、缶ジュースを開けて飲み始めた。
「俺からも、礼を言うよ」
 リヴァは、手を差し出して、少年と握手した。
「C・C・リヴァだ」
「風際慶慎」
「風際?お前、もしかして……」
「ボスの、風際秀二郎の孫だよ。一応」
「へえ。随分、いいご身分なんじゃねえか」
「そうでもないよ」
「俺らはまだ、この街に来たばっかでさ」リヴァは、煙草をくわえながら言った。骸骨が彫られたジッポで火をつける。「どっかの組織に拾ってもらおうと思ってる。これも何かの縁だ。お前のじいちゃんに、俺たちを紹介してくれよ」
「そんなの無理だよ」
「可愛い孫のお願いなら、何とかなるだろ。ケイ……なんだっけ?」
 慶慎は、リヴァの吐いた煙に、顔をしかめた。
「慶慎。僕は、可愛い孫なんかじゃ、ないよ」
「ちっ、なんだよ。ケチくせぇな。にしても、覚えづらい名前だ。言われないか?お前、あだ名とかないのかよ」
 慶慎は、煙草の煙を吸って、咳き込んだ。リヴァは、笑った。
「煙草が苦手かい」
「喘息なんだ」
「何だよ、それ?病気か?」
「知らないなら、いい」
「スモーカーにしようぜ」
「何が」
「お前の名前さ。俺は人の名前を覚えるのが苦手でさ。何か、こじつけないと、頭に入らねぇんだ。仲間のダンクはバスケがうまいし、バーバーは床屋の息子だ」
「煙草は苦手だ」
「お前はスモーカー。これ決定」
 慶慎は、おにぎりを頬張った。
「C・C・リヴァも、何かにこじつけた名前なのかい?」
「C・Cは、こいつだ」
 リヴァは、両手の甲に刻まれた、アルファベットの「C」の入れ墨を、慶慎に見せた。
 ダンクとバーバーが、コンビニの入り口に立っていた。それを見て、リヴァも立ち上がった。
 慶慎が言った。
「リヴァは?」
「俺は、川で生まれたのさ。じゃあな、スモーカー。俺らは行く」
「またね、C・C・リヴァ」
 慶慎は、手を振った。


つづく
posted by 城 一 at 18:00| 長編小説 焔-HOMURA- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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