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最近、自分がフリーメールを活用できない人間だってことに気付きました。

2006年09月07日

ブログ小説 焔-HOMURA- scene16

●C・C・リヴァ

 バーバーが、古びた酒場のカウンターで、バーテンに話しかけた。
「すいません、この辺で狩内蓮って人を探してるんですけど」
「蓮なら、あそこにいる」
 バーテンの指差した先には、人だかりがあった。
「外野が邪魔で見えないだろうが、あそこの真ん中で、チャイナドレスの女と、ポーカーをやってる」
 礼を言うと、バーバーは、ダンク、リヴァの二人と共に、野次馬をかき分けて、テーブルが見える所まで行った。バーテンの言った通り、チャイナドレスの若い女と、男がポーカーをやっていた。
 蓮は、スポーツ刈りに近いくらいの短い髪の頭を掻きむしり、煙草をテーブルに押しつけて火を消した。自分の手元のカードを、食い入るように見つめている。
 チャイナドレスの女は、手に持ったカードで、余裕たっぷりな様子で、蓮のことを眺めていた。
 蓮は、野次の中、自分のカードを見て、歯を食いしばっていた。
 リヴァが言った。
「バーバー。ほんとにあいつが、ツガ組の幹部なのか?」
「だって、バーテンが言ってたもん」
 蓮はくしゃみをした。
 それもそのはず。蓮は今や半裸で、身につけているものと言えば、白とピンクの水玉模様のボクサーパンツだけだった。
 リヴァは蓮を見て言った。
「あいつ、パンツ一枚だけど」
「そうだね」
「そうだね、じゃねえよ。ちょっと、あいつ本気でツガ組なの?」
「だって顔とか、聞いた通りだし」
「すっげぇいい女だな」
 ダンクが、チャイナドレスの女を見て言った。リヴァがダンクを睨んだ。
「黙ってろ、ダンク。俺、あんなヤツの下で働くの、マジで嫌なんだけど」
「そんなこと言われても」バーバーは、ぽりぽりと頬を掻いた。
 蓮が、カードを放った。
「フルハウス」
 女がフッと笑ってカードを置き、テーブルの上で広げる。
「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」
 蓮は、テーブルやら椅子やらを、全て引っくり返した。
 ダンクが言った。
「あの女、イカサマやってんのか、リヴァ?」
「やってる。じゃなきゃ、ロイヤル・ストレート・フラッシュなんて、出るかよ。手癖の悪い女だぜ。蓮もやってるけど、食われてるな」
 ひとしきり暴れ終わると、蓮は笑って言った。
「負けたよ、奈々恵。金も俺の持ち物も、全部あんたのもんだ」
 宙に、水玉のパンツが、ひらりと舞った。全裸になった蓮が、仁王立ちしていた。
「俺、頭痛くなってきた」
 リヴァが、言った。


つづく
posted by 城 一 at 12:00| 長編小説 焔-HOMURA- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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